グランドティトン国立公園 前編 ~名作シェーンの舞台~
前日までの天気予報ではずっと雪マークだったグランド・ティトン国立公園(https://www.nps.gov/grte/index.htm)、朝の天気予報ではまさかの晴れマーク!!また雪や雨に変わったりしたら困るので、善は急げとばかりに車の窓ガラスにへばりついた霜を慌ただしく取り除いてアイダホ・フォールズを後にしました。
まずはスワンバレーを目指してスワンバレー・ハイウェイ(26号線)を東に向かいます。スワンバレーから31号線を北上し、次の町ビクターへ。ここからティトンパス・ハイウェイ(33号線→22号線)を東に向かえば、グランドティトン国立公園とイエローストーン国立公園のゲートシティの一つジャクソンに到着です。ここまで130kmちょっとの道のりでした。なんて、サラッと書きましたが、スワンバレーからジャクソンの手前までの山道は深い霧に包まれていて高速道路なのに十数m先の視界も怪しいという恐怖体験をしました。こんなに深い霧は初体験だし、そんな中での運転も当然ながら初体験。高速道路とは名ばかりの田舎道をのんびり景色でも眺めながら行こうと思っていたのに完全に当てが外れ、かなりの集中力を要する厳しいドライになってしまいました。おかげでジャクソンに着いた時はぐったり。市街地でちょっと休みたい気持ちにもなりましたが、どうしても天気が気がかりで・・・、給油だけして一気にジャクソンホール・ハイウェイ(191号線)を北上することにしました。いよいよグランドティトン国立公園に突入です。
1929年に国立公園に指定されたグランドティトン国立公園は、面積1255㎢で、南北に伸びるティトン山脈とその東側に沿って走る地溝谷ジャクソン・ホールから構成されるアメリカで最も美しい国立公園です。
初めのビューポイント(Sleeping Indian Overlook)はジャクソン空港を少し過ぎたあたりに現れました。車窓からずっと横目に見えていた景色ですが、あらためて雪を被ったティトン山脈が迫る来る雄大な景色に対峙すると知らず知らずのうちに涙が出てきます。
2㎞ほど北上したビューポイント(Albright view overlook)。雲で山頂が隠れてしまっていますが、前日まで雪予報だったんだし、これくらい仕方ありません。
アンテロープ・フラット・ロードからの眺め。お気づきの方もいるかもしれませんが、グランドティトン国立公園は1950年代に公開された映画「シェーン」の舞台。まだ生まれてもいないわたしがオンタイムで見ているわけもなく、かといって今回の旅のために映画を見て予習する時間もありませんでしたが、名作の呼び声高い西部劇のようです。なぜなら、80歳の師匠がこの写真を見るなり「こりゃあ、シェーン、カムバーックじゃないか!」と言うのです。青春時代に見た映画が数十年たっても心に刻まれているなんて名作の証です。
振り返るとそこに動物の姿が。南側に国立のエルク保護地区があるので、恐らくエルクだと思いますが、ウサギも見かけました。
アンテロープ・フラット・ロードのすぐ北のBlacktail Ponds Overlookから。ところどころに曲がりくねったスネークリバーが見えています。
雲がかかってはいるものの中央やや左よりに、公園の名前の由来となっているティトン山脈の最高峰グランド・ティトン〈4197m)の頂がチラ見えしています。
カニンガム家が経営していた牧場跡カニンガムキャビン。一家がニューヨークからやってきたのは1888年のことでした。当時のフェンスやベランダで南北の部屋を繋いだ長屋のようなキャビンが残されていました。キャビンは今にも倒れそうに傾いています。こんなに豊かな大自然の中にあるのに窓が小さいのは1年の半分近くが雪で覆われる厳しい冬のせいでしょうか。開拓時代の人々が-40度まで下がる冬期をこんなキャビンで乗り切ったと思うと・・・現代バンザイ!ですよ、ホント。
ジャクソンホール・ハイウェイを通って景色を眺めるだけなら国立公園の入園料はいりません。でも、ジャクソンホールに連なる湖畔を巡るためには入場料を支払って国立公園内に入る必要があります。入場料は何人乗っていようと個人の車は1台30ドル。大人数ほどお得なんですが、残念ながら今回はひとり旅。でも、イエローストーン国立公園の分とセットで支払うとバラで払うより10ドル安い50ドルで済みます(2017年9月現在)。ドライブスルーになったモランのゲートで入場料を支払い、両国立公園のパンフレットとチケット替わりのレシートを受け取りました。これで両方の国立公園に1週間は出入りし放題です。
この公園で一番来たかったオクスボーベン(Oxbow bend)はモランゲートの先ありました。スネークリバーが大きく湾曲して流れが緩やかになった川面には、3842mのモラン山が逆さまにくっきりと映っています。逆さ富士ならぬ逆さモランの景色は1942年に写真家アンセル・アダムスが撮影してから有名になり、ポスターや絵葉書に使われてきました。展望所にはなってはいないけど、道路脇に停車して撮影している人がいるので、絶対に通り過ぎることはありません。
1万年以上前からインディアンは短い春夏の間にここで狩りや採取していたそうです。 周囲の緑も豊かでとてもキレイな場所です。写真で実際の景色の美しさを表現するのはなかなか難しいものですが、我ながら絶景写真が撮れたと思っています。
ここからティトン・パークロードでジャクソン・ホールに入っていきます。
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