時たま、旅人

自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

フリンダーストリート駅とヤラ川沿いの景色 in メルボルン

2017年5月、メルボルン。またまた懲りずに、航空券が安いというだけで(広州を経由して)やってきてしまいました。航空券の安さを抜きにしても、ヨーロッパ風の歴史的建造物も見れそうだし、都会の割にのんびりとした雰囲気があって、自然に触れる機会も多そうだし、まあ悪くはない選択かな・・・と。

 

格安航空券ならではの遠まわりはしましたが、無事にメルボルンに到着。時差がないので、長旅でも時差ボケによる体力消耗が少ないのがオーストラリアの良いところ。すぐに街歩きを開始しました。

 

フリンダースストリート駅がフリンダース通りとスワンストン通りの交差点に見えてきました。1854年にオーストラリア国内初の駅として開業したメルボルン近郊列車のターミナル駅です。1909年に完成した駅舎のエドワード王朝風の外観には単なる駅とは思えない優雅さがあります。鮮やかな黄金色の壁とモスク風のドームの屋根が、色々な文化が混ざり合うメルボルンを象徴しているようで、駅舎自体が世界遺産登録されているのも納得です。f:id:greenbirdchuro:20190719085116j:plain


アーチ型の玄関の上の時計台まではよくある駅舎ですが、駅の玄関に並んでいる時計が発車する各線の発車案内表になっているのが特徴的です。駅構内だけではなくて駅舎の外に表示するというスタイルで、それがしかもアナログ表示になっているというのは初めて見ました。デジタル表示に慣れているのでそっちの方がわかりやすい気もしますが、こちらの方がずっと趣きがあります。f:id:greenbirdchuro:20190719085919j:plain

 

歴史的価値が評価されるくらいだから、老朽化が問題になったことも1度や2度ではないはずですが、人々の強い反対で駅舎の解体と駅の再開発計画は取り下げられました。今でも駅舎が原型を留めているかわりにこんな風に修復作業が続けられています。f:id:greenbirdchuro:20190719090649j:plain

 

駅の時計台を背景にトラムが走る光景は、ジブリ映画「魔女の宅急便で新しい街にやってきたキキが街の様子に驚いて路面電車にひかれそうになるあのシーンのモデルだそうです。ほうきに乗ったキキが見る空からの風景は完全にヨーロッパなのに、思いもよらず聖地巡りができて得した気がしました。f:id:greenbirdchuro:20190719090249j:plain

 

魔女の宅急便 [DVD]

魔女の宅急便 [DVD]

 

 

メルボルンでは地下鉄と同じくらいトラムが発達しています。なんと、街の中心エリアを環状運行するシティサークルトラムは誰でも無料!これで街中にある観光スポットのほとんどが巡れます。約10分間隔で走っていて、乗り方も簡単なのでとても重宝しました。トラムによってはこんなレトロな雰囲気も楽しめます。f:id:greenbirdchuro:20190719122500j:plain

 

他の路線や交通機関を利用するための交通系ICカードmyki(マイキー)も購入。海外の交通系カードのコレクションが増えていく一方です。f:id:greenbirdchuro:20190719121702j:image

 

セントポール大聖堂は、フリンダースストリート駅のはす向かい、この街で一番交通量の多い交差点にが建っていました。地味だった前身の教会が、イギリス人建築家のウィリアム・バターフィールドとそれを引き継いたジョセフ・リードによって新ゴシック様式の大聖堂に生まれ変わったのはメルボルンという街が誕生した直後の1852年でした。つまり、街の歴史=大聖堂の歴史。街で初めてのキリスト教の礼拝が行われたのもこの場所です。f:id:greenbirdchuro:20190719093624j:plain

 

大聖堂の側面です。天を衝くようにそびえる尖塔と砂岩でできた大きなファサードが印象的ですが、複数の色レンガが使われていることで全体に温かみを感じます。f:id:greenbirdchuro:20190719093630j:plain

 

聖堂の中に足を踏み入れると、奥行のある空間とその煌びやかな内装にハッとします。コルドバのメスキータを思わせるような縞模様の石材が身廊にさらなる奥行を持たせています。側面にならんだ緻密なステンドクラスの下に配されたモザイク模様のタイルになんとなくエキゾチックな香りもします。全体の煌びやかさとは対照的に、多角形に折れ曲がった木製アーチの天井にはヨーロッパではあまり見ない素朴さを感じました。f:id:greenbirdchuro:20190719095555j:plain

 

聖堂の奥に向かってパターン模様の通路を進むと、彫刻の施された説教壇の奥に祭壇に「最後の晩餐」と「イエスの死の場面」が描かれています。イギリス南西部デボンシャーの大理石と雪花石膏でできた祭壇の上方にあるベネチアガラスのモザイクでできた青みを帯びたステンドグラスがとても神秘的です。f:id:greenbirdchuro:20190719095721j:plainセントポール大聖堂は入場無料ですが、写真撮影は有料(5ドル)でした。 

 

フリンダースストリート駅の向かいのフェデレーションスクエアは、年間2000件以上のイベントが開催されるメルボルンの中心地です。写真の右手にあるガラス張りの建物は、観光客の味方ビジターセンター西オーストラリア州キンバリーの砂岩で舗装された石畳がカラフルな広場は、通りより少し高台になって、広場に上がる階段には腰かけておしゃべりするメルボルンっ子がたくさんいました。
f:id:greenbirdchuro:20190719210110j:plainf:id:greenbirdchuro:20190722214130j:plain

 

フェデレーションスクエアの中でもオーストラリア映像博物館(ACMI)は、ひときわ目をひくユニークな外観をしています。1946年に設立された州立フィルムセンターが元になって2002年に新設された南半球最大の映像博物館では、オーストラリアの映像制作の歴史と現在が展示されています。周りに集まった博物館や美術館、飲食店もユニークなものばかり。お隣にある駅がクラシックな分、これまで見てきたCBDとは全く違った雰囲気です。これぞコンテンポラリー!f:id:greenbirdchuro:20190719210345j:image

 

ヤラ川に架かるプリンセス橋を渡ってサウスバンクエリアに向かいます。この場所に最初に木製橋が架けられたのは1844年でした。木造の橋が長持ちするはずもなく、1851年に当時の最先端技術を結集させて砂岩を使った第二の橋が架けられました。その時に皇太子だった後のエドワード王にちなんでプリンセス橋と名付けられました。現在のプリンセス橋は1888年に完成した3代目。橋げたの上の門柱は大理石ですが、橋げたはブルーストーンで造られています。f:id:greenbirdchuro:20190719210140j:plain欄干に設置されている鋳鉄製のランプは1920年代に付け加えられたものです。なかなか凝った造りでメルボルン州の紋章が入っているところがお洒落です。紋章には、メルボルン市設立当時の3大輸出物である羊・牛・鯨とこれを運び出した船と言った具合にメルボルンの歴史的原点とも言える4つのシンボルが描かれています。f:id:greenbirdchuro:20190719232455j:plain

 

プランセス橋のすぐ西側にはエバン・ウォーカー橋が架かっています。ヤラ川に架かる橋の中でも最も新しく、1992年に完成しました。華奢に見える白亜の橋は歩行者専用になっています。f:id:greenbirdchuro:20190719233610j:plain

 

サウスバンクエリアの川沿いにあるサウスバンクプロムナードはキレイに整備された幅の広い歩道で、散歩するのに気持ち良い場所です。お洒落(かつ高級)なレストランが並び、その背後には高層ビルがせめぎ合って建っています。波打つような屋根の建物がメルボルン交響楽団やオーストラリア室内管弦楽団の本拠地となっているアートセンターのハマーホールです。メルボルンにあるアート関係の建築物はユニークな形のものが多いですね。f:id:greenbirdchuro:20190719233623j:plain


セント・キルダ通りを南下するとヴィクトリア・アート・センターの天を貫くような鋭利な尖塔が見えてきます。てっきり何かのアンテナだと思っていた鉄塔は、意外にもオーストラリアを代表する近代建築家ロイ・グランズがデザインした劇場だったわけです。斬新なデザインで目立ちますが、正直に言うと、昼間はそんなにパッとしません。f:id:greenbirdchuro:20190719210125j:plainでも、夜になると・・・こんなにキレイにライトアップされていました。 162mの鉄塔は遠くからでもとても目立ちます。f:id:greenbirdchuro:20190719224923j:plain

 

 

ルージュの伝言 (「魔女の宅急便」より)

ルージュの伝言 (「魔女の宅急便」より)

 
魔女の宅急便 完結6冊セット (福音館創作童話シリーズ)

魔女の宅急便 完結6冊セット (福音館創作童話シリーズ)

 

 

<