半日で歩く中世の街ブラチスラヴァ
再びやってきたのは、ブダペストのケレティ駅。料理も美味しいし、見るものも多いし、出来ればもっと滞在していたい・・・。でも、帰国便のでる翌日のお昼前にはウィーンの飛行場にいなければなりません。当日の朝にブダペストから空港に向かうことも考えましたが、宿泊したホテルが満室で延泊できなかったこともあり後ろ髪を引かれながらお気に入りのブダペストを旅立つことにしました。
ネットで予約したばかりのチケットを発券機で受け取り、列車に乗ること2時間半。
着いたのはスロバキアの首都ブラチスラヴァ。またまたウィーンを避けてしまいました。オーストリアに1ユーロのお金も落とさない!なんて考えたわけではありませんが、おそらくブラチスラヴァに訪れる機会はそうないだろうと考えての選択です。43万人弱という人口が首都にしては少なく思えますが、国の政治の中心であるだけではなく文化や経済の中心都市でもあります。日本も目指すコンパクトな首都ですね。ハンガリーとオーストリアの国境に接しているのは首都としては珍しいようです。しかも、ウィーンに至っては通勤圏内とも言える近さです。
駅構内の自販機で買ったコーヒーが0.2ユーロ!この物価の低さ、色々と期待出来そうです。
地下鉄は走っていませんが、トラムが市民の足になっていました。トラムの切符は路上の券売機で買え、距離によって料金が変わるゾーン制。
駅近のホテルでチェックインを済ませ、さっそく徒歩で観光開始。駅から旧市街へはなだらかな下り坂になっています。ショートカットしようとした公園の向こうに見えた建物はスロバキアの大統領官邸。
もともとはマリア・テレジアの側近の宮殿だった大統領官邸は当然ながら観光客を受け入れていません。高さはないもののロココ調の白い壁の建物は大統領官邸らしくない感じがし、それを守る衛兵の少なさからもなんだか気さくな印象がしました。
官邸の外観だけを眺めてさらに歩き続けると旧市街が見えてきました。レトロな建物が並び、人の集まっている気配がしてきました。
他の建物より数段高く屋根の上に突き出した尖塔はミハエル門です。かつて、旧市街はそれをとり囲む城壁と4つの門によって守られてきました。ところが、現存する門はミハエル門のただ一つ。街の機能を損なうという理由でマリア・テレジアが他の門を撤去してしまったんだそうです。今思えば勿体ないことですけど、当時はそんなこと思いもよらなかったでしょうね。塔を登れば旧市街を見渡す展望所として楽しめますが、それだけではなく、かつて武器庫として使われていたことから現在も武器博物館として利用されています。日本の刀まで展示されてるそうです。
ミハエル門をくぐって旧市街に入ると、カラフルな色あいの建造物と石畳の楽しい街並が始まります。ブラチスラヴァは紀元前6世紀より古い歴史を持つ街ですが、ブダペストがオスマン帝国の支配下にあった時代にはハンガリーの首都でもありました。ブダペスト好きには益々期待できる展開です。
旧市街の中心はずっと街の歴史を見てきたフラヴネー広場です。平日の昼間で時々雨がパラつくあいにくの天気のせいかそれほど賑わっている感じがしませんが、観光客向けのカフェや露天が並び、今でも街の中心です。広場を囲むように博物館や各国大使館といった建物が並んでいます。その中には見覚えのある菊の御紋を掲げた日本大使館も!こんな一等地にあるのも驚きですが、シルバニアファミリーでも出てきそうなかわいい建物です!
マンホールの下から身を乗り出すおじさん「チュミル像」。全く見たまんまですが、現地語でのぞき屋という意味だそうです。街中にある面白い銅像の中でも一番人気で、のぞき屋のおじさんと記念写真を撮りたい人がなかなか途切れませんでした。有名な存在なので知らずに蹴つまずくことはなさそうと思っていたんですが、何度も車に轢かれて何代目かなんだそう・・・、安全という目で見ると問題のあるチュミルおじさんですが、本当のところ何を覗いてるんでしょうね。
こちらも見たまんまの別名聖エリザベス教会ことブルー チャーチ(青い教会)です。旧市街から少し離れた住宅街にありましたが、正直言って目立ちます。壁はパステルブルーと白色で鮮やかに彩られ、「かわいい」でしかありません。つまり、教会ならではのオーラがないんですよ・・・わたしは好きですけど、建築された1913年当時の評価が気になるところです。
そして、驚くのはまだ早いんです。教会の内部も外観と同じでパステルブルー!教会の色々なものがブルー!!どんだけブルーが好きなんだ!!!という感じ。
教会の背面もパステルブルー。終始一貫しておとぎの国のお城のようで、祈りの場というよりもお姫様の結婚式でも始まりそうな雰囲気でした。
旧市街の外れには完成に200年かかったというブラチスラバ最古の教会「聖マルティン大聖堂」があります。外観のシンプルさからスルーしてしまいそうですが、間違いなく国の中心となっていた教会で、ハンガリーの首都がここにあった16世紀から19世紀にかけてはハンガリー王の戴冠式が行われた聖地でもありました。その名残が教会の尖塔に・・・ハンガリーの王冠レプリカになってるんですね。
旧市街で見つけたお洒落なカフェ。途切れないお客さんを若い女性が一人で切り盛りしていました。チョコ専門店らしい濃厚にカカオの香るチョコレートケーキで血糖値を上げたら後半戦スタートです。
チェコとスロヴァキアを知るための56章【第2版】 エリア・スタディーズ
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