時たま、旅人

自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

聖ヴィート大聖堂 in プラハ城

14世紀に現在のような完成形になったプラハは、想像するお城(シンデレラ城みたいな?)とはちょっと違って、複数の建物があつまって成り立っています。だから、見どころ満載。カレル橋と並ぶ観光のハイライトです。


 もっと楽なアクセス方法はいくつもあるのに、混雑していない早朝のカレル橋を渡りたかったばかりに徒歩で遠回りしてプラハ城まで行くことにしました。

カレル橋からネルドヴァ通りの坂を登っていきます。


プラハ城の正門前にあるフラチャニ広場にはまだひっそりとしていました。この広場は、モーツァルトの映画「アマデウス」のロケ地や2009年にオバマ元大統領が核兵器の廃絶を宣言した「プラハ演説」が行われた場所としても知られています。

周りを囲む貴族の宮殿のうち、ひときわ目をひくのが17世紀建築のシュテンベルグ宮殿です。この白く堂々としたバロック宮殿には、わたしの好きなルーベンスレンブラントの絵画が所蔵されています。開館前なのでとりあえずここはスルー。f:id:greenbirdchuro:20190517000421j:plain

フラチャニ広場から振り返ると広がる百塔の街プラハの街並み。f:id:greenbirdchuro:20190517001055j:plain

その中心には前日に登るのをあきらめた橋塔とさっき渡ったばかりのカレル橋の姿も捉えることができます。f:id:greenbirdchuro:20190517001058j:plain

 

この時期のプラハ城内のそれぞれの建物の開館時間は9時か10時なので正門(マティアス門)はまだクローズされていました。お城の敷地の散歩は早朝からでもできるので、正門のすこし北にある庭園側の門から入っていきます。簡単なセキュリティ検査を受けて第二の中庭にやってきました。中庭の南側には円柱形がかわいらしい聖十字架礼拝堂があります。聖ヴィート大聖堂の常設宝物展を観れるはずですが、開館時間にはまだ早いのでここも一旦スルーし、中庭の東側にあるアーチをくぐりました。f:id:greenbirdchuro:20190517000427j:plain

 

いきなり目に飛び込んできたのは、圧倒的迫力の聖ヴィート大聖堂

長さ125m・幅60mもあるので、壁際いっぱいまで後ろに下がっても全体をカメラに収めることができません。f:id:greenbirdchuro:20190517000435j:plain

 

南の聖イジーの噴水側から撮影してやっと撮れた全景です。10世紀にロマネスク様式の教会から始まった聖ヴィート大聖堂は14世紀にカレル4世によってゴシック様式の大聖堂への改築が始まり、完成したのは1929年。なんだ最近じゃん!!って600年も改築にかかったってことですよね。孫の孫の・・・で、途中で「なんで改築してんだっけ?」ってならないのが純粋にスゴイです。f:id:greenbirdchuro:20190517000439j:plain

 

黄金の門の上にある南ファサードには14世紀頃に描かれたという最後の審判のモザイク画がありました。f:id:greenbirdchuro:20190517100806j:plain


東門側からみた大聖堂はその後ろ姿も圧倒的迫力です。あらためて考えると、お城の敷地に大聖堂があるのは不思議な感じがしないでもありませんが、教会が保護されながら発展してきた証なんでしょうね。f:id:greenbirdchuro:20190517000447j:plain

 

外観だけで興奮していたら開館時間の9時が近づいてきたのでチケットを買って大聖堂内に入ることにします。f:id:greenbirdchuro:20190517110326j:imageプラハ城の入場チケットは数種類あり、料金によって入場できる場所がかわります。わたしが選んだのは、250コルナで聖ヴィート大聖堂、旧王宮、聖イジー教会、黄金の小路、ダリボルカ塔に入れる「プラハ城Bコース」。(Aコースだとこれに国立歴史博物館、火薬塔、ローゼンベルク宮殿が追加されます。)2日間有効のチケットですが、各入場箇所は1回のみしか入れません。ギネスブックにも世界で最も広い城であると認定されているだけあって、敷地も広く、大聖堂だけでも見どころが多いので2日にわけて観光するのもいいかもしれませんね。

 

プラハ城の中でも聖ヴィート大聖堂は1番人気なので、いつも行列ができていてここで1時間くらい待つこともあるそうです。朝一でやってきたおかげでほぼ開館と同時に入場することができました。

 

入場するとこの天井の高さに圧倒されます。30mも高さのある身廊の天井には網目のようにリブヴォールトが交差しています。f:id:greenbirdchuro:20190517090905j:plain

高い身廊を支える巨大な束ね柱の列が大聖堂の奥行を強調しています。f:id:greenbirdchuro:20190517000511j:plain

 

そして、なんといっても色鮮やかなステンドグラスがこの大聖堂の見どころです。大きくて見事なステンドグラスに飾られた窓の一つ一つを見てまわるのが楽しくて仕方ありません。今までみてきたものと少し雰囲気が違うと思いましたが、多分、ボヘミアン調だから・・・?f:id:greenbirdchuro:20190517000454j:plain

 

そして北側の側廊には言わずと知れた「ミュシャのステンドグラス」!チェコを代表する画家アルフォンス・ミュシャが、祖国のために1931年に制作したステンドグラスなんです。他とは画風が全然違うのですぐにわかりました。f:id:greenbirdchuro:20190517000459j:plain

 

側廊を周ってみると、そこに並ぶ小礼拝堂の一つ一つが美しい。f:id:greenbirdchuro:20190517091414j:plain

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北側の側廊には、プラハ城・カレル橋・旧市街などのプラハの街並みが描かれた木製レリーフがありました。街並みを忠実に表しながら、街の広がりと無数の塔やカレル橋の立体感が彫刻でここまで表現できるってすごいと思いました。ステンドグラスと並ぶわたし的必見ポイントです。f:id:greenbirdchuro:20190517000504j:plain

 

そして、約2トンの純銀を使って作られた繊細かつ重厚な作品は、カレル橋でも一番人気のだった守護聖人ヤン・ネポムツキーの墓です。実は、わたし・・・ご利益に預かろうと何度も台座をベタベタと触らせてもらったのに、この守護聖人が国王に疑われてカレル橋から突き落とされてしまった悲劇の人だってことさえ知りませんでした。f:id:greenbirdchuro:20190517091329j:plain

 

礼拝堂の対面にある巨大なパイプオルガン。 f:id:greenbirdchuro:20190517091013j:plain

 

さすがプラハ城の中でも一番の見どころ。大聖堂の造りだけでなく、内部の装飾、絵画、美術品のどれもに心を奪われてしまいました。

 

名残おしいけど、だいぶ大聖堂の中が混雑してきたのでここでお別れして、旧王宮に進みます。


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