カレル橋、渡ろ!
旧市街を抜けて見えてきたのは街の中心を流れるモルダウ川(ヴルタヴァ川)。チェコの作曲家スメタナの交響詩の中でも「モルダウ」は有名ですが、クラッシックへの造詣がゼロのわたしでも知ってるので、たいていの人は聞いたことあるんじゃないでしょうか?
クラシック名曲 スメタナ 「モルダウ」 Smetana - Moldau .wmv
そして、モルダウ川に架かるプラハで一番古い石造りの橋がカレル橋です。旧市街のある東側とプラハ城やマラーストラナ地区がある西側を結んでいます。そして、この橋はリンキン・パークのファンとしては、テンション上がらずにはいられないPV「Numb」のロケ地でもあります。久々にPVの中で歌う故チェスターの姿を見てうるっときてしまいました。
Numb (Official Video) - Linkin Park
橋を渡るべく旧市街側からアプローチすると黒くすすをかぶったような色合いの橋塔が見えてきます。もともと旧市街を守る要塞として14世紀に建てられ、外壁にボヘミアン・ゴシック彫刻の装飾が施されています。
そして、この橋塔から見たカレル橋の上は観光客でびっしり。人混みの中には、似顔絵や風景画を描いている画家や露天商や大道芸人もいますが、もはや賑やかを通り過ぎて、身の危険を感じる混雑ぶりです。
橋の左右の欄干には計30体の彫像が並んでいて、さながら屋外美術館といったところです。歴史的に有名な聖人や英雄がモデルとなっていて、ガイド本にも解説が載っていました。でも、一体一体をじっくり見るのはお預け。まずは橋を無事に渡る事を考えなきゃ・・・。
とりあえず、最も有名な聖ヤン・ネポムツキー像だけは見ておこう・・・と人混みの中を探しました。30体の中で唯一銅製なので色が違って目立つ上に、人混みの中でもさらに人だかりが出来ているのですぐに見つけることができました。
人だかりの理由は・・・ネポムツキー像の台座のレリーフに触れると幸せが訪れるという言い伝えがあるから!当然ながらわたしも順番待ちの列に並びます。そして、ありがちですが、皆が触れる部分はピカピカのツルツル。
ついさっきトゥルデルニークを食べたばかりじゃなければ、川沿いのカフェで人混みを逃れ、行き来する船を眺めながらゆっくり過ごしたいところです。
そして、カレル橋が美しいのは昼間だけではありませんでした。ライトアップされた幻想的なプラハ城やカレル橋を見に来た人で橋の上は夜になってもまだまだ賑やかです。
わたしには勝手に旅の師匠と崇めている齢80の友人(人生の大先輩)がいます。師匠がプラハを訪れたのはそれこそ半世紀前。師匠曰く「プラハはなんとも寂しい気持ちになる街だったよ・・・。」と。師匠が今のプラハを見たら腰を抜かすと思いますけどね。
それにしても・・・混雑は予想していたけど、ここまでとは思いませんでした。
これでは、橋をただ渡っただけになってしまう!
ということで、時差ボケを利用して早起きし、まだ暗い早朝にリベンジ決行!!
早起きして良かったぁ〜。
朝日を浴びるプラハ城とカレル橋がモルダウ川の水面に映ってなんとも神秘的なレギー橋からの眺め。
対岸にそびえる聖ヴィート大聖堂の存在感も手伝ってまるでおとぎの国にいるみたい。本当にステキな橋脚のアーチは、数えてみると15個ありました。
早朝ならカレル橋の彫像も見放題。今や「ザ・観光地」となった華やかなこの場所も師匠が訪れた頃はスメタナの「モルダウ」の調べが今よりしっくりくる場所だったはず。 1357年に建設が始まり1402年に完成したカレル橋は、1841年までプラハ旧市街と周囲をつなぐ唯一のルートでした。長さ515.7メートル、幅9.5メートルの橋の上でどんなドラマがあったんでしょうか。
滞在中にウェディングフォトを撮影しているカップルを何組も見かけました。旅行中に現地の結婚式に遭遇する事が多いわたしですが、プラハで出会ったのは全て韓国人カップルばかり。なんでも、2005年に韓国で放送されたドラマ「プラハの恋人」のヒットで、今でも韓国ではプラハ人気がすごいそうです。だから、ヨーロッパの中でメジャー都市とは言えないプラハに仁川から直行便が飛んでるですね。どおりで韓国の人が多いと思いましたよ。
洗礼者ヨハネの彫像越しにプラハ城の聖ヴィート大聖堂の塔が見えます。
聖ヤン・ネポムツキー像も触り放題。前日は台座を触るために列に並ぶことに精一杯で実は良く見てなかったんですが、頭には金色の5つ星が輝いています。
そして、とりあえずもう一触り・・・これで御利益間違いなし。
並ぶ彫像の中で印象的だったのは、聖イワンと三位一体会創設者が立つその足元で犬を連れたトルコ人が牢屋の中にいるキリスト教徒を見張っている「マタの聖ヨハネとヴァロアの聖フィリックス、聖イワン」でした。名前も長いし意味不明だけど、まず登場人物が多いことと牢屋の中の人がリアルで見入ってしまいました。
マラーストラナ側の橋塔です。旧市街側のものと同様にこちらも登ることができます。
ここを抜けて王宮エリアに突入です。
- アーティスト: ノイマン(ヴァーツラフ),スメタナ,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
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