時たま、旅人

自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

キュビズムに出会う〜トラムで巡る百塔の街〜



 

プラハは比較的小さな街なのでこれまで徒歩で楽しんできました。そして、カレル橋を渡ってプラハ城を観光した日の万歩計が・・・こんなんでました!f:id:greenbirdchuro:20190518230427p:image

さすがにちょっと足が疲れてきたし、残りの見所は点在しているので公共交通機関の1日乗車券を使って効率よく巡ることにしました。1日乗車券は110クロナだから、日本円だと約600円ちょっとです。f:id:greenbirdchuro:20190518135737j:image

 

宿泊先のアパートメントの前から地下鉄が出ていたのでとても便利だったのですが、地下鉄よりもトラムを好んでよく使いました。トラムは路線が多くて便利だし、乗りこなせればプラハの街並みを見ながら移動できてなかなか楽しいんですよね。f:id:greenbirdchuro:20190518140448j:plain

 

そして、トラムが横切っているのが国民劇場の前です。オーストリア同様に音楽の盛んなチェコで最も重要な劇場ですね。著名なものやクラシックに限定せず、幅広くオペラ、バレエ、演劇を上演しているそうです。f:id:greenbirdchuro:20190518145150j:plain

 

カレル橋を渡ってプラハ城に向かうネルドヴァ通りにはマラーストラナ広場に面して聖ミクラーシュ教会が建っています。もともと13世紀に建てられた時にはゴシック様式の教会だったものが、18世紀にバロック様式の教会に改築され、プラハを代表するバロック建築になっています。ちなみの同名の教会があるので間違えないように!f:id:greenbirdchuro:20190518140804j:plain

外観の印象とは違って聖堂内はゴージャスで、美し祭壇や宗教画が見れる穴場スポットです。特に「聖三位一体の祝典」という天井フレスコ画が見たかったのですが・・・時はまさにイースター。礼拝に訪れた人々が聖堂の外まで溢れていました。当然ながら信者でもないわたしは恐れ多くて中に入ることが出来ませんでした。f:id:greenbirdchuro:20190518140753j:plain

そしてマラーストラナ広場の中央にはペストの流行終焉を記念して18世紀に建てられた「聖三位一体柱」がありました。こんな立派なものが建つなんて、あらためてペストの終焉がすごく大きな出来事だったことを実感しますね。f:id:greenbirdchuro:20190518140807j:plain

 

旧市街広場に戻ってきました。ここにあるのは天文時計台やヤン・フス像ばかりではありません。ティーン聖母教会の並びにあったのは、かわいらしい色合いの外観のゴルツキンスキー宮殿。この18世紀に建てられた貴族の館は、プラハ国立美術館の分館として使用されていました。f:id:greenbirdchuro:20190518150756j:plain

 

旧市庁舎の近くにあった一分の家。ガイド本には載ってなかったけど黒地に白い模様の外壁の装飾がわたし好みだったせいかなんだか気になってシャッターを切りました。漆喰の表面を掻き取って描くスグラフィットという技法なんだそうです。

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旧市街広場を抜ける通りを旧市街の端まで進むと15世紀に建てられたゴシック様式の石塔が見えてきます。もともとは旧市街を守る城門がその後に火薬倉庫として利用され、火薬塔と呼ばれるようになりました。真っ黒なすすけ具合が60mあるこの石塔をより重厚に見せていました。f:id:greenbirdchuro:20190518141020j:plain

 

火薬塔のお隣のアールヌーヴォ様式の建物は、現在の市民会館。1918年にチェコスロバキアの独立宣言が行われた歴史的に重要な場所ですが、内装の一部をミュシャが手掛けていたり、スメタナホールがプラハの春音楽祭のメイン会場だったりと芸術的にも貴重な場所です。わたしは観てないですが「のだめカンタービレ」で玉木宏さんが指揮を執ったのもここなんだそうですよ。それって、彼が音楽家だったらとても名誉なことですよね。f:id:greenbirdchuro:20190518141015j:plain

 

火薬塔のアーチをくぐって、歴代の王たちが戴冠式のパレードを行なっていた由緒あるツェレトナー通り沿いに黒い聖母の家と呼ばれるプラハキュビズム建築1号の貴重な建物があります。なんだが名前を聞くと穏やかじゃなさそうですが、周囲に溶け込んでいるし、別にホラーハウスでもなんでもなさそう。(名前の由来は建物の1階に黒い聖母マリア像が安置されているからなんだそうです。)角ばったビルを見慣れている建築に疎いわたしにはこの建物がどう貴重なのかピンと来なかったのですが、それまでのプラハの建築がアール・ヌーヴォー様式だったことを考えると当時の人々には全然違った斬新なものに見えたでしょうね。f:id:greenbirdchuro:20190518141031j:plain

この2階にはこれまたキュビズム様式でデザインされた「グランド・カフェ・オリエント」が入っています。ここならコーヒーとキュビズムが同時に楽しめる!というわけですね。キチンとした身なりのウェイターさんが冗談を散りばめながら接客してくれて、キュビズムがよくわからなくてもお洒落な雰囲気の中でコーヒーは楽しむことはできました。f:id:greenbirdchuro:20190518141608j:imageちなみにキュビズム建築という言葉自体を知らなかったわたしですが、チェコにしかないんだそうで、どうりで・・・ね。 いや、日本にあっても多分知らなかったな・・・。

 

カフェでエネルギーチャージできたのでトラムの旅を再開します。

 


 

 

チェコのキュビズム建築とデザイン1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク- (INAX BOOKLET)

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プラハを歩く (岩波新書)

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