時たま、旅人

自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

ブラック・サンド・ベイスンとビスケット・ベイスン

 

 

オールドフェイスフル・ガイザーからスタートしたガイザー・ヒルのトレイルには、これでもか!というくらい多くの間欠泉や熱水泉が並んでいましたが、広大なガイザーカントリーにはまだまだたくさんの見どころがあります。

 

まずは、ブラック・サンド・ベイスンから。オールドフェイスフル・ガイザーの西側一帯のこのエリアには黒曜石の砂が見られることに由来しています。でも、あちこちで立ち昇る蒸気にどうしても気が急いてしまい、足元など見ていなかったので、どれが黒曜石かなんて全く気にもしていませんでした。f:id:greenbirdchuro:20190707191148j:plain


ブラック・サンド・ベイスンで最も人気のある熱水泉がエメラルド・プールです。68度とやや低めの水温なので外周だけでなくプールの中までもバクテリアや藻が繁殖して黄色くなっています。ここに青空が映り込むと美しいエメラルドグリーンに見えるため付けられた名前です。以前に比べると徐々に温度が低くなってきているそうなので、いつかこの美しい色が見られなくなる日が来るかもしれません。f:id:greenbirdchuro:20190707191154j:plain

 

サンセット・レイクは、6mほどの噴出を見せる間欠泉でしたが、2003年以降は休眠状態が続いています。中心部は高温で微生物が住めないので空の色のように真っ青です。間欠泉なのにガイザーとは呼ばれず、熱水泉なのにスプリングでもプールでもない・・・その理由はこのエリアで最大だからってことだけでしょうか。なぜサンセットなのかもわかりませんが、雰囲気にピッタリの名前だと思いました。f:id:greenbirdchuro:20190707191251j:plain

 

レインボウ・プールというからには虹色なんだろうと予想がつきますが、曇っていたせいか、どこを見てレインボーと名付けたのかわからないというのが正直なところです。とは言っても、中央の澄んだ青と周囲を縁取る黄色は十分にキレイでした。30m以上の高さまで噴出したことがあるそうですが、活動はかなり稀なようです。f:id:greenbirdchuro:20190707191327j:plain

 

次は、ビスケット・ベイスンです。宝石の名前が付く美しい熱水泉や間欠泉がコンパクトに集まったわたしのお気に入りのエリアです。ブラック・サンド・ベイスンからグランドループを3㎞ほど北上したところにありました。モーニング・グローリー・プールの先から未舗装の道を歩いて行くことも出来ますが、大きなバイソンがウロウロしているようなので車で移動しました。f:id:greenbirdchuro:20190707185659j:plain

 

このあたりで、バイソンの次に多く見かける動物はこの青い鳥です。多分、マウンテンブルーバード(ムジルリツグミではないかと思います。雀にそっくりな見た目をしていますが、青いというだけでかわいらしく見えてしまいます。f:id:greenbirdchuro:20190707185704j:plain

 

2つ並んだ大きな熱水泉はブラックオパール・スプリングで、1953年の噴出を最後に休眠状態です。宝石には詳しくないものの、ブラックオパールと言えば黒っぽい不透明な地合いで多彩な色や光を放つ天然石。ところが、実際に目の前にある熱水泉はやや乳白色を帯びた青色でブラックオパールというよりトルコ石のようでした。かつて、ブラックオパールに見えた瞬間があったのかもしれませんね。f:id:greenbirdchuro:20190707190925j:plain

 

ブラックダイヤモンド・プールの最後の噴出は2011年でした。2006年には24mにも達する大きな噴出を見せたこともあるそうです。ブラックダイヤモンド自体を見たことがないので、そう見えるのかどうかもわかりませんが、どちらかというとエメラルドとかカリビアンブルーといった感じです。f:id:greenbirdchuro:20190707185841j:plain

 

このエリアで一番人気なのがサファイヤ・プールです。130度もある熱水泉なので、バクテリアが入り込んで生育する余地などなく、とても透明度の高い深い青色をしています。その印象的な美しさは、サファイアと言われても何の異議もありません。時々激しく沸騰して水面が波打つ様子が見られました。ビスケット・ベイスンのビスケットとはこのサファイア・プールの周りに沈殿していた物質がビスケットみたいな形だったことに由来するそうですが、現在はほとんど見ることが出来ません。f:id:greenbirdchuro:20190707190210j:plain

 

シェル・スプリングは、巨大な貝殻を彷彿とさせます。深さはわずか60cmしかありませんが、1980年代には3歳の女の子が転落して亡くなるという痛ましい事故がありました。小さい子供なので咄嗟に駆け出したりしたのかもしれませんが、ここ以外でもルートから逸脱したがための悲しい事故が後を絶ちません。大自然の美しい景観には同時に脅威も潜んでいるということを思い知らされます。f:id:greenbirdchuro:20190707190047j:plain

 

いくつかの小さな間欠泉が集まったシルバー・グローブ・ガイザーのうち、手前にあるのがシルバー・グローブ・ケイブ・ガイザー、その奥にあるシェル・スプリングに似た形のものがアボカ・スプリングです。f:id:greenbirdchuro:20190707190056j:plain

 

マスタード・スプリングスは東西に2つ並んでいます。東側のマスタード・スプリングは高さ3 mに及ぶ噴出が数分おきに見られる活動的な間欠泉。f:id:greenbirdchuro:20190707190358j:plain

それに対して、西側のマスタード・スプリングは水面が鏡面のように静か。外縁の黄色が鮮やかで、どっちがマスタードかと聞かれれば、迷わず西側に軍配があがります。f:id:greenbirdchuro:20190707190525j:plain

 

グランドループをただ走るだけで、素晴らしい景色の連続です。f:id:greenbirdchuro:20190708214048j:plain

滞在も4日目になるとそろそろ見飽きてきたバイソン。本気出せば絶対に早く動けるはずなのにあえてのんびり道路を横切る彼らの起こす渋滞にもだいぶ慣れてきました。f:id:greenbirdchuro:20190629132039j:image

バイソンなんかお腹いっぱい(色々な意味で・・・)と思いながらも、一応、撮らせてもらうのが礼儀かなと思いながら出会う度にシャッターを押します。f:id:greenbirdchuro:20190629132043j:image

 

 

ここからは番外編です。実は、予定工事のために立ち入り禁止だということを知らず、ナビに導かれるままに初っ端から迷い込んでしまったエリアの景色です。

 

ギボン滝は、マディソンからノリスへ向かうグランドループ沿いにありました。駐車場から少しだけ歩いたところがビューポイントです。滝の落差は26mと公園内の他の滝に比べると小規模なので、後半に訪れてしまうと、ちょっと物足りなかったかもしれません。初日に見ておいて良かった・・・。f:id:greenbirdchuro:20190707195618j:plain

 

ギボン滝の流れ込むギボン川。川幅はやや狭めで、水深もそれほど深くありません。流れも急峻ではないので寒くなければ川遊びでもできそうな雰囲気です。f:id:greenbirdchuro:20190707195757j:plain

ギボン川が平原を流れる風景はとても穏やかで長閑そのものでした。ここでもトラウトがよく釣れるそうです。f:id:greenbirdchuro:20190707201605j:plain

 

そして、ニンフ湖。工事車両を運転するおじ様方からは怪訝な顔で見られましたが、迷い込んだおかげでこんな幻想的な景色を見ることができました。f:id:greenbirdchuro:20190707195916j:plain

ニンフ湖にはたくさんの水鳥がいました。f:id:greenbirdchuro:20190708211804j:plain

 

最後は、このイエローストーン国立公園の顔ともいうべきグランド・プリズマテッィク・スプリングのあるミッドウェイ・ガイザー・ベイスンに向かいます。

 

 

 

 

 

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