野生の公園ガイド
この時期のウシュアイアはベストシーズンのはずなのに、パッとしない天気のせいか、国立公園の敷地が広すぎるせいか、トレッキング中にほとんど人と出会いませんでした。話しかけられても面倒だけど、さすがに少し心細くなってきます。
そんなトレッキング中の私の後ろをぴったりついてくる気配が。。。その忍び寄る気配に振り返ると
えっ、野犬? オオカミ?
わかんないけど、どっちも困る!!!
わたしが立ち止まると相手も止まります。それ以上は近づいてきません。とりあえず、すぐにでもやられてしまうってことはなさそうだったので、刺激しないようにまじまじと観察してみました。
街中に多い犬よりはだいぶ小柄です。オオカミは見たことないからわからないけど、きっともっと大型なんじゃないかな?で、達した結論が
おそらくキツネ。
ホッ、戦闘態勢解除です。
それにしても、キツネってこんなに人を怖がらないものなんでしょうか?
野生動物から病気を貰いたくないから!なんて小心者のわたしはさりげなく距離を置こうとするんですが、一定距離を保ちながらも飼い犬のようにピッタリとついてます。
「エサなんかもってないよ」
とりあえずスペイン語でも言ってみたけど、通じるはずもありません、、、。アシガミ湖までの道をまるでガイドするかのように、彼(?)とわたしは正味1時間ほど一緒に歩きました。
アシガミ湖の湖畔が近づき他の人の気配がすると森の中に消えて行きました。
ここでキツネ以外に出会った動物と言えば、マゼランがんのつがい。偽装夫婦のオシドリと違って、本当に死ぬまで添い遂げる仲良しさんらしいです。
もちろん、ビジターセンターでホモ・サピエンスにも遭遇しましたよ。
ひとり旅のベルギー人男性は大の親日家でした。前年にわたしが旅したアントワープの出身でもあり、親日家の彼とはちょっとくらい話が弾むかな?と思ったのですが、、、
富士山にも日本アルプスにも登ったし、四国のお遍路さんも熊野古道も既に制覇した彼は、、、どれも経験ないというわたしを
"アンビリーバブル"と、少し哀れんだような、ガッカリしたようにな目で見て、颯爽と先を急いで行きました。
パタゴニアの植物もなかなかユニークでした。
キッタリアという木に寄生するきのこ。黄色だったものが古くなってこんな風にこぶを作ります。蜂の巣みたいで初めはギョッとしました。
とげのある葉に赤い実をつけるその名もカラファテ。カラファテベリーのジャムやジュースはパタゴニアの名産品のひとつ。カラファテベリーを食べると、またいつかパタゴニアに戻ってこれるんだそうです。
後日、カラファテベリーのジェラード頂きました。甘酸っぱくて、なかなか美味しかったですよ。
初めはイヤホンをつけて好きな曲でも聴きながら散策しようと思っていましたが、耳に入ってくる自然の音が本当に素敵で、聞かなきゃ勿体無く思えました。早々にイヤホンを外し、五感を目一杯使って歩いていたら知らず知らずに30㎞近くになっていたようです。
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