百塔の街はビール天国
チェコと言えば・・・ビールの個人消費量が世界第1位の国!ビールと言えばドイツだと思っていたのに、ドイツやベルギーを抑えての堂々の首位!!(ちなみに日本は40位)
チェコ人は水代わりにビールを飲むと言われるようですが、ミネラルウォーターより安くで飲めるので、あながち嘘じゃないのかもしれません。実際にモーニングと思しき食事でコーヒー代わりにビールを飲んでいる場面には何度も遭遇しました。
チェコにはたくさんのブルワリーがあり、ビールの種類も多彩です。その中でも最もメジャーな銘柄がピルスナー・ウルケル。現在、世界で流通しているビールのほとんどはピルスナーで、チェコのピルスナー・ウルケルは世界中のピルスナーの元祖なんだそうです。(ちなみに日本のビールだとサッポロ黒ラベル、アサヒスーパードライ、キリン一番搾り、エビス・・・そのいずれもピルスナー。知らなかった!)
今回の滞在中に入ったビアホールやレストランの全てにありました。右がピルスナー・ウルケウで、左の黒ビールがコゼルです。ピルスナー・ウルケルは口当たりが良く、料理の味を邪魔しないのでお茶のように飲めてしまいます。力強いビールが好みの人には物足りないかもしれませんが、わたしはとても気に入りました。コゼルは黒ビールらしい香ばしさの独特の風味がありますが、普段は黒ビールを好まないわたしでも飲みやすく、こちらもお気に入り。
このセットが気に入ったので、何度かリピートしましたが、プラハでは何処でもずんぐりしたマグカップみたいな形のジョッキでビールが出てきます。ピルスナー・ウルケルがこの形のジョッキを作ってるからみたいです。
そんなチェコの首都プラハの街中で、よく目にするのがコレ↓↓↓
歩道を歩く観光客を尻目に、楽しそうに(時には奇声を発しつつ)ビールを飲みながら街中を駆け抜けて行く、オランダ発祥のその名もビアバイク。プラハの美しい街並みと美味しいビール、ビール好きには堪らない一石二鳥のシステム!
でも・・・、よく見るとみんな必死に足でペダルを漕いでいました。宴会バスならぬ宴会自転車だったのです。つまり、景色+ビール+エクササイズと一石三鳥!?心配になるのは、飲酒運転にならないかどうか?ですが、進行方向の先頭にはちゃんと素面でハンドルを握るドライバーがいました。もしかしたらアシスト自転車みたいなものなのかもしれませんね。集団の中には漕ぐことを怠けている人がいたのも見逃しませんでしたよ!
わたしの旅先での大きな楽しみは食事なんですな、正直なところ、わたしにとってチェコ料理は・・・すごく美味しい!ということもありませんでした。いわゆる旧ハプスブルク帝国領の料理は以前からあまり楽しめない傾向にあったんですが、チェコも例に漏れず・・・ビールは美味しいのでビールに合うものばかりを食べていた気がします。もちろん、プラハにはビールにぴったりのグルメがありましたよ。
冬場の寒さが厳しいせいかスープのバリエーションが豊富でした。これは、ビアホールで頼んだチキンスープ。鳥の出汁がよく効いていて具沢山の野菜で食べ応えがありました。
そして、ガーリックスープ「チェスネチュカ」。ガーリックがかなり効いていてクセになります。添えてあるチーズやクルトンを加えると少しまろやかになりました。
グラーシュは、元々はハンガリー発祥の料理です。牛肉・玉ねぎ・パプリカなどで煮込んだいわゆるチェコ版ビーフシチュー。野菜の旨味が染み込むまでじっくりと柔らかく煮込まれた牛肉が贅沢な家庭料理で、お店ごとの味を楽しむのも良さそうです。そして、グラーシュに添えられた白い蒸しパンのようなものはクネドリーキ。餃子の皮と同じ材料で作られています。中欧の餃子の歴史は中国よりももっと古いそうで、パンよりももう少しモチモチしていて煮込み料理との相性抜群でした。
シュニッツェルは肉を叩いて薄く伸ばして作るカツレツです。そしてこれは豚肉のシュニッツェル。旧ハプスブルク帝国領内で広く食べられ、もちろんチェコでも人気料理の1つ。カリっとした歯ごたえで、脂身がなく塩味でさっぱりしていて食べやすいのですが、何せ大きい・・・その大きさ故に飽きてくるかもしれません。誰かとシェアするのがおススメです。
ビールと言えば・・・ソーセージミックス!マスタードのソースだけでなくてサワークリームのソースも付いていました。サワークリームをタップリとつけるのが美味しく頂くポイントです。
人気があるようで行った先々で早々に品切れになってしまっていた豚のローストの代わりに豚のグリルを頂きました。ステーキみたいなのを想像したら焼き鳥風に串に刺さって出てきました。玉ねぎやパプリカと一緒に食べると旨味が引き立ちます。
リピートしたお店はハヴェルスカー・コロナ。お手頃価格が嬉しいセルフスタイルの定食屋さんで、トレイを持って列に並び、食べたいものを指差してオーダーするシステムです。付け合わせはじゃがいも・米・クネドリーキから選べました。そこで気に入ったのがカマンベールをまるごと揚げた「スマジェニー・シール」。ブランチだったのでビールを飲みませんでしたが、酪農が盛んなチェコ産の乳製品は質が良いので、調理することで更にビールとの相性がUPする一品だと思います。ハヴェルスカー・コロナでもシュニッツェルを頂きましたが、こちらにはチキンバージョン。マッシュルームのソースがかかっていました。そして、こちらはチキンのグリル+トマトソース。プラハは肌寒かったけどじゃがいものスープ「ポレフカ・ブランボロヴァ」のおかげでだいぶ温まりました。
最終日の夜に辿り着いたビアホールがLokál Dlouhááá。なんて読むかわかりません・・・。奥行きのあるホールの中はいつもお客さんでいっぱい。立ち飲み用カウンターでビールを飲みながら席が空くのを待ちました。間違いのないビールの味に、お料理も安定の美味しさ。しかも、ここはかなりリーズナブルな価格設定で、表示価格が税込なのかそれ以外は一切請求されません。チップも不要。早くに出会っていたらきっと毎日ここに来たと思います。
*番外編*プラハで一番のお気に入りだったのはやっぱりコレかな。
食べるというより飲むことがメインとなるプラハのグルメライフでした。
次は美食の国に向けて、プラハから移動します。