時たま、旅人

自称世界遺産ハンターが行く!旅好き会社員の備忘録

アンダルシアグルメ

ふんだんな山の幸と海の幸を活かしたスペイン料理は、イタリア・モロッコ・ギリシア料理と共に地中海料理として2010年に世界無形文化遺産に登録されています。とはいえ、かつて別々の国だった地方が集合して国家を成しているスペインは、国土が広大なだけでなく、気候も文化も人々の気質も驚くほど様々。各地の特産品を活かした様々な調理法の料理が存在していて、スペイン料理と一括りにするのはちょっと乱暴にも思えます。幸い、今回の旅行先はスペインの中でも地中海に面したアンダルシア地方、まさに世界遺産に登録された地中海料理を楽しめるエリアです。

 

スペインの食文化を語る上で外せないのがバル。今では日本でもお馴染みのバルは、レストランとバーとカフェが一緒になったようなカジュアルな飲食店でスペインやイタリアなどの南ヨーロッパが発祥の地です。お手軽価格で美味しいお酒や料理を楽しめるだけでなく、地域の人々と繋がるコミュニケーションの場所になっています。

 

さっそく、バルやレストランでいただいた飲み物やお料理をご紹介します。


スペインの代表的なビールサン・ミゲル・エスペシアル(San Miguel Especial)。サン・ミゲルと言えば同名のビールにがフィリピンにもありますが、資本関係は一切ないとか。適度な甘みがあり、まろやかでしっかりした味わいでした。f:id:greenbirdchuro:20190819192400j:image

 

グラナダの地ビールであることは一目瞭然のアルハンブラ(Alhambra)。もちろん、アルハンブラ宮殿に由来しています。ラベルのロゴにはアルハンブラ宮殿内のライオンの中庭にある噴水のライオン像が描かれています。少し苦味があるものの飲み口のすっきりしたライトビールでした。
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滞在中に一番多く飲んだのがサングリアです。サングリアは、スペインやポルトガルでよく飲まれているいわゆるフレーバーワイン。赤ワインにスライスした果物や甘味料を入れ、ブランデーやシナモンなどのスパイスで風味付けしたものです。もともと日本で売られている既製品のサングリアを自己流にアレンジして飲むほど好きなのですが、あちこちで飲んだのには理由があります。サングリアに使用される果物や甘味料、スパイスには、何をどれだけ使うという決まりが特にないため、それぞれのお店のオリジナルの味を楽しめるから。甘いお酒が苦手でなければ、お気に入りのサングリアを探してみるのも楽しいでしょう。f:id:greenbirdchuro:20190819192417j:image

 

バル巡りは意外と苦戦しました。というのも、これまで経験したバルは、お酒と一緒に指差しで食べたいタパスやピンチョスを頼むというスタイルでしたが・・・ここでは、お酒を頼むとお通し的タパスが自動でついてくるんです。日本の居酒屋と違って無料なのは嬉しいですが、好みのものが出てくるとは限りません。最も高頻度で遭遇するのが、チョリソーとポテト。しかも、お通しの割にはボリューミー!!1軒目は美味しく頂けますが、運が悪ければ2軒目、3軒目も同じメニューが続きます。今日はこれしか食べてないという日もありました。
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チョリソーとプライドポテトに辟易している時に出会ったお洒落で美味しいお通しタパス。あまりの美味しさに「これは何ですか?」とウェイターさんを呼び止めてしまいました。中身がロブスターと聞いて納得しました。わかりやすく表現すると、ロブスターの身がゴロゴロと入った上品な揚げ春巻きといったところです。
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軽く炙ったホタテにレモンを絞っていただく地中海沿岸らしい1品です。
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レストランに入るとタパスセットを勧められることも多かったです。セットだと好みでないものも混じってくるので好き嫌いのない人ならお得かもしれません。手前の左側は、トルティージャ・エスパニョーラというスペイン風オムレツです。家庭で作られることも多い身近な料理で、じゃがいもがたっぷりと入った厚みのあるケーキのような見た目が特徴です。一番奥に見えているのはクロケットは、クリームコロッケです。f:id:greenbirdchuro:20190819192344j:image

 

お気に入りのタパスは、やっぱり生ハムです。生ハムの塩加減とカリッとしたバゲットがぴったり!それにしても、見ただけでお腹いっぱいになりそうなタパスの盛り合わせ。これが前菜とは、恐るべしスペイン人の胃袋・・・それを何度も頼んで後悔する学習能力の無いわたし・・・。米は締めだろう!?とつっこみたくなりますが、パエリアが前菜に出てくることも多いので、注意が必要です。
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プルポ・ア・ラ・ガジェーガは、ゆでたタコを切って、パプリカと塩とオリーブオイルをかけるだけというシンプルなタパスです。衛生上の理由で廃れつつあるものの木皿で提供されるのが伝統的。本来は、ガリシア地方の名物ですが、スペイン国内で広く食べられているようで、アンダルシアでもよく目にしました。柔らかいのにプリプリとし食感のタコに手が止まりません。パプリカがアクセントになったシンプルな味付けはビールや白ワインのお供にぴったりです。
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もちろん、レモンをたっぷり絞っていただくタコのフライも外せません。スペインの調理法をざっくりと分類すると「北部は煮る・中部は焼く・南部は揚げる」なんだそうです。シーフードを揚げるというのはアンダルシア地方の最も得意とするスタイル。ハズレがあるわけありませんよね。f:id:greenbirdchuro:20190820111608j:image

 

メヒジョネス・アル・バポルは、地中海沿岸諸国でよく食べられるムール貝をニンニクや胡椒、ローリエ、オリーブオイルを使って蒸したシンプルな料理です。ムール貝の旨味が楽しめるさっぱりした一品で、白ワインと一緒に楽しむのがおすすめ。添えられたレモンをさっと絞ると味わいの変化も楽しめます。f:id:greenbirdchuro:20190819192356j:image

 

カラマレス・ア・ラ・ロマナ(イカのローマ風)というお洒落な名前ですが、いわゆるイカリング。どこのバルでも必ず目にする定番メニューです。f:id:greenbirdchuro:20190819192328j:image


ボケロネス・フリットは、アンダルシア地方の名物料理の1つです。まるごと揚げたカタクチイワシは、頭から尻尾まで骨ごとバリバリ食べられます。内臓の苦味を僅かに感じますが、美味しく食べられます。
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メルルーサはタラ目メルルーサ科の海水魚の総称ですが、タラ(バカラオ)とは全く別物。バカラオに次いでよく食べられる白身魚で、グリルで提供されることが多いように思います。味付けのしっかりしたボリューミーなお料理や揚げ物が続くスペインで、あっさりとした塩味は胃腸にも嬉しい一品です。
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トマトソース煮込みのアルボンディガはミートボールのことです。見た目通りの馴染みのある味でした。
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ビーフ・ポーク・チキン・ラムのミックスグリル。塩だけでグリルして加減で美味しいんですが、相変わらず量が多いことで・・・。
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スペイン料理と聞いて、誰もがまず思い浮かべるパエリア。米と野菜、魚介類、肉などの食材をスープで炊き込むバレンシア発祥のお料理です。日本ではパエリアというとシーフードが主役のように思われがちですが、それはツーリズム向けに後で考案されたもので本来はバレンシア風のミックスパエリアのように鶏肉やウサギ肉が主役。しかも、スペインに稲作をもたらしたイスラム教徒に由来する料理なんだそうです。
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パエリアに次いで有名な米料理のアロス・カルドッソは日本でいうところのおじやみたいなものです。凝縮されたロブスターの旨味が米に染み込んだとても贅沢な一品でした。炊き上がったご飯から作るおじやと違い、生米から作るので、パスタに例えるならアルデンテくらいの食感で、スープでサラサラと食べれてしまいます。f:id:greenbirdchuro:20190819192331j:image

 

勉強を始めたばかりのスペイン語の腕試しと、バルのハシゴでタパスを楽しむ事を目標にしたアンダルシア旅行。バルでは、無料で出てくるタパスのせいで食べたいものにたどり着く前に満腹になったり、酔っ払ったり・・・となかなか思うような楽しみ方ができませんでしたが、アンダルシアの人はきさくで陽気で、楽しい時間を過ごすことができました。初めはスペイン語で話しかけると英語が(時に日本語)返って来て拍子抜けでしたが、地元の人たちが根気よく付き合ってくれたおかげで、後半はなんとなく会話らしきものも出来たような、、、出来てないような・・・。スペインが太陽の国だということを始めて実感できた旅になりました。

マラガ国際空港からトルコ経由で帰国の途につきます。

 

増補新版 家庭で作れるスペイン料理:パエリャ、タパスから地方料理まで

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人気店が教える 小さなバルの絶品レシピ

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