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独断と偏見で選んだメルボルン動物園の総選挙

せっかくオーストラリアに来たので、オーストラリアらしい動物を見たいなぁという思いつきでメルボルン動物園に行ってきました。https://www.zoo.org.au/melbourne

 

1862年開園のメルボルン動物園は、オーストラリア最古であるばかりでなく、世界でも3番目に古いという歴史ある動物園です。古いだけではなく、22ヘクタールという広大な敷地の中には、オーストラリアの固有種を始めとするたくさんの動物達が暮らしています。150年以上もの間、人々に愛されてきた動物園は、メルボルン中心部からトラム1本で行けてしまうアクセス至便な場所にありました。f:id:greenbirdchuro:20190723184254j:plain

 

320種類・5120頭の動物たちの中から独断と偏見で選んだわたしの一押し動物たちをご紹介します。

 

コアラは、オーストラリアを代表すると言っても過言ではない癒し系動物。オーストラリア全土にいるわけではなくて、東部の森林地帯に住んでいます。日本でも絶大な人気を誇るコアラですが、フクログマとかコモリグマという見たままの日本名を持っていることは意外と知られていません。あまり動かないこともあってぽっちゃりさんのイメージが強いけど、木の上で生活しているだけあって意外にも筋肉質。オスの胸には茶色の縞模様があるらしいのですが、このコアラは胸が白いのでメスのようです。f:id:greenbirdchuro:20190723184312j:plain

 

タスマニアデビルは、世界最大の肉食性有袋類です。かつてはオーストラリア本土にも生息していましたが、鳴き声や姿形を悪魔に例えて嫌悪したヨーロッパ系移民によって駆除されてきたため、現在はタスマニアにしか生息していません。絶滅危惧種として保護の対象になっていますが、デビル顔面腫瘍性疾患という致死率の高い感染性の腫瘍がタスマニアデビルの最大の脅威になっています。かわいすぎる昼寝姿ですが、あくびをひて口の中の牙がチラ見えするとデビルの片鱗が見えかくれします。f:id:greenbirdchuro:20190723184320j:plainf:id:greenbirdchuro:20190724134306j:plain

 

エミューは、オーストラリアを代表する鳥類。熱帯雨林と乾燥した砂漠以外のほとんどの場所で生息できる逞しい鳥です。体型からわかるように空は飛べませんが、時速40〜50kmとウサイン・ボルトも真っ青のスピードで走ることができます。植物と昆虫だけを食べてこの身体能力を維持できるなんて素晴らしい!しかも、巣作りや子育てをは雄の担当。強くて(体が丈夫)、優しい(家事や子育てに協力的)だなんて、エミューの雌が羨ましくなるくらいの理想の旦那さんですね、f:id:greenbirdchuro:20190723184427j:plain

 

この動物園のカンガルーは、南オーストラリア州のカンガルー島出身です。カンガルー島は、島の1/3が特別保護区に指定されている野生動物の宝庫ですが、その冬は厳しく、そこで暮らすカンガルーたちも長くて密度の濃い体毛をしています。たまに立ち上がって雄同士の小競り合いを繰り広げますが、基本的にはのんびりしたものです。f:id:greenbirdchuro:20190724134315j:plainf:id:greenbirdchuro:20190723184328j:plain

 

エリマキトカゲは、オーストラリアを含めた世界中の爬虫類と両生類を集めた爬虫類の家にいました。当たり前ですが、襟を立てていないとただのトカゲにしか見えません。オーストラリア北部からパプアニューギニアにかけて生息していて、オーストラリアの2セント銅貨のデザインだったこともあるそうです。80年代に三菱ミラージュのCMに出たことで、日本でも一世を風靡しました。エリを立てて走る不思議な動物の姿に興奮したことを覚えています。f:id:greenbirdchuro:20190724134403j:plain

 


1984 三菱ミラージュ「エリマキトカゲ」CM CDSOL-1195 Track44

 

恥ずかしがり屋のカモノハシは、なかなか姿をじっくり見せてはくれませんでした。だから、写真もピンボケです。理科の教科書でもお馴染みのカモノハシは、カモのような平たいクチバシを持っていて、卵を産むという珍しい生態の哺乳類です。ちなみに卵生哺乳類は世界中でもカモノハシとハリモグラだけオーストラリア大陸東海岸沿いの森林地帯や高山地帯の水辺に生息していて、主に水辺の生き物を食べる肉食動物です。カモノハシの剥製を見たヨーロッパの人々は、その存在をなかなか信じることが出来ず、ビーバーにカモのくちばしを縫い付けた作り物だと思って縫い目探しをしたんだそうです。その気持ち、わからなくもないですね。f:id:greenbirdchuro:20190724134419j:plain

 

ビクトリア州近郊に生息するリトルペンギンは、体長30〜40cmほどでペンギンの中では最も小さい種類として知られています。だから、別名フェアリーペンギン。確かに今まで見てきたペンギンよりずっと小さくて、ちょっと前屈みにヨチヨチと歩く姿がとてもかわい。その姿を見ていると癒されます。f:id:greenbirdchuro:20190725224442j:plainf:id:greenbirdchuro:20190723184403j:plain

 

思わずかわいい!と声を上げてしまった南毛鼻ウォンバット。オーストラリア南部の草原や低木林に生息しています。3種のウォンバット種の中では最も社交的らしいのですが、夜行性のためずっと下を向いて眠りこけていました。コアラと同じようにポケットに子供を入れて子育てしますが、巣穴を掘る時に子供の入ったポケットが汚れないようにポケットは後ろ側についているんだそうです。f:id:greenbirdchuro:20190723184419j:plain

 

このスマトラトラは、この動物園で生まれたので故郷を知らずに育っていますが、もともとはインドネシアスマトラ島出身です。トラの9つの亜種の中でも最も小柄な体格(これでも小さいの?)は、インドネシアの密林での狩りに適していて、イノシシや鹿や鳥といった野生の動物たちを餌にして暮らしています。孤独を好む性格を尊重して、この動物園に3頭いるトラは別々に暮らしていました。f:id:greenbirdchuro:20190723184335j:plain

 

レッサーパンダは、二本足で立つ風太くんのイメージが強すぎて、ゲージの中ばかり探していたらはるか頭上の木の上にいました。赤みを帯びた毛色で、上手く擬態しています。東アジアから中央アジアの標高の高い土地の密林に好んで住んでいるそうです。もともと樹上棲なんだとか。となると、日本では見てきたレッサーパンダは本来とは違う生活環境で暮らしているってことなのかもしれません。どこにいたったかわいらしいことには変わりありませんけど。f:id:greenbirdchuro:20190723184357j:plain

 

ペッカリーは、南北アメリカ大陸に生息するイノシシそっくりの雑食動物。体長は50㎝ほどで、短い首に愛嬌がありますが、足は長めで走るのに適した体型です。首の周りに入った白いラインが襟巻きか首輪をしているみたいに見えるのでクビワペッカリーとも呼ばれています。彼らは音を立てて感情を表したり、仲間同士のコミュニケーションを取るそうです。人間の持ち込んだイノシシと生活圏を争っているとのこと、頑張れペッカリーf:id:greenbirdchuro:20190723184410j:plain

 

この動物園の重鎮アルダブラゾウガメは、マダガスカル北に浮かぶセーシェル共和国の固有種で、草木を食べて暮らす亀らしい亀です。なかなか顔を見せてくれないので、相当シャイなんだなと思っていたら、故郷では熱中症で亡くなることが多いせいか、頭を木陰に突っ込んで太陽に背を向けてるのがデフォルトなんだそうです。この時期のメルボルンはとても涼しいというのに、粘ってみても顔を見せず終いでした。f:id:greenbirdchuro:20190723184415j:plain

 

ミーアキャットは、メルボルン動物園でも人気者。アフリカ南部に広がるカラハリ砂漠出身のスレンダーテールミーアキャットのゲージは、園内の数カ所に分布していました。30cmもないくらいの小さな体で精一杯の背伸びをして、捕食者を見張りながら食べ物を探しています。食べ物も確保されて、捕食者はいないはずの動物園にいても習性は簡単には変わらないものなんですね。f:id:greenbirdchuro:20190724134650j:plainf:id:greenbirdchuro:20190723184351j:plain

 

マダガスカル出身のワオキツネザルです。彼らが暮らすエリアに入って柵がない状態の至近距離から観察することができます。体格に不釣り合いな大きな白黒の縞模様の尻尾と手足を広げて、お腹丸出しで日光浴をしている姿はヨガでもしているかのようです。お触り厳禁なのに、社交的な彼らは写真撮影をしていると近寄ってきたり、フレームインしてきたりします。動物園の職員さんに怒られるのはわたしなのに・・・。f:id:greenbirdchuro:20190723184339j:plainf:id:greenbirdchuro:20190724134553j:plain

 

ニシローランドゴリラは、この動物園のマークにもなっているシンボル的存在。生息地は中央アフリカの山林や低地の湿地帯です。立ち上がると2メートル近くもあるそうですが、終始ドッシリと腰を下ろしていました。呼びかけてみても、こちらに気がついていないのか、気がついているのに無視しているのか、我関せずという態度でした。人間と同じように面白がったり、それを仲間や家族と共有したりするんだそうですが、残念ながらわたしにはこの知的なゴリラを笑わせる力量がありませんf:id:greenbirdchuro:20190723184345j:plain本物のゴリラには相手にはされなかったけど、掌のオブジェで記念撮影。f:id:greenbirdchuro:20190724172425j:plain

 

上手く写真が撮れていませんが、レインボーロリケットです。賑やかにさえずるカラフルな鳥がたくさんいる鳥類コーナーにいました。この鳥はいつもカップルで行動するんだとかで片時も離れません。その名前通りの多色使いの派手な出で立ちですが、意外と一途な性格のようです。見た目で判断してはいけないってことですね。f:id:greenbirdchuro:20190724134727j:plain

 

メルボルン動物園は、動物たちの生態を尊重して自然のままの姿を見せることにこだわった展示をしているように思います。園内はとても手入れされていて、この動物園もそこに暮らす動物たちもとても大切に守られているのを感じました。強いて難点を挙げるとしたら、入園料の高さ(大人 38オーストラリアドル、子供19オーストラリアドル)でしょうか。でも、ここに暮らす動物たちだけではなくて、野生の動物の保護活動にも力を入れているようなので、その入園料が動物たちの保護にあてられていると思うと仕方ない出費に思えました。 

 

総選挙なんて言いつつ、どの動物もかわいくて順位なんてつけれませんでした。

 https://www.zoo.org.au/melbourne

動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ〈7〉オーストラリア、ニューギニア

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オーストラリアのふしぎな動物たち (かがく・しかけえほん)

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